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グリーンウッドワークは斧の扱い=アックスワーク次第で10倍早く、楽になる
生木専門の木工所スーパー生木ラボのすずきです(@supernamakilab)
スプーンづくりで初心者が苦労するのって「斧」なんですよね。
狙ったところを削れない!という声がめちゃくちゃ多いです。
スプーンだけでなくお皿やお箸や熊でもなんでも、結局は斧の扱い=アックスワークがどれだけできるか?によって、作業のはやさ、正確さ、楽さが冗談抜きで10倍くらい変わってきます。
300人くらいの初心者に触れてきて、先日ふと閃いたのでチェックリストにまとめました。
斧が難しい!苦手意識がある!という方には気づきがあると思いますのでチェックしてみてください。
斧で狙った部分を削れない原因その1:刃の形状が鈍角すぎる
買ったばかりの斧というのは基本的に自分で研いで使うことが想定されています。
なのでそのまま使おうと思わず、自分で研いでから使いましょう。
薪割りや枝を叩き切るための斧はキャンピングアックスなどと呼ばれ、刃先の形状も木工用とは違います。
薪割り用=ハマグリ刃、厚みがあり木を縦方向に割る目的
木工用=薄刃、木を横方向に切る目的、立木の伐採に使われるのも刃先が薄い
キャンピングアックスでも自分で刃先の形状を変えれば木工用として使えます。
斧身の重さと柄の長さのバランスなど、初めから木工用として作られた斧と比べると使い勝手は変わりますが、とりあえずやってみたいという方には安価な斧を購入して自分で研いで見るのがいいでしょう。
グリーンウッドワークで使う道具はどこで買える?【2023年】斧で狙った部分を削れない原因その2:刃が研げていない
刃先は薄刃であっても切れる状態にになっていないことも考えられます。
刃が切れないと材への食い込みが悪くなり、「狙った場所にヒットしているのに削れない」というとってももったいない現象が起きます。
意外と多いのはここなのかもしれません。
腕の生毛が剃れるくらいが理想ですが、とりあえずは爪に食い込ませて滑らないくらいの状態まで研いでおけば大丈夫でしょう。
【動画】グリーンウッドワークで使うナイフを研ぐ。基本的なやり方を紹介します。斧で狙った部分を削れない原因その3:斧が切れる仕組みを理解していない
刃物全般はスライドすることで本来の切れ味を発揮します。
包丁で完熟トマトをスパッと切るためには包丁をスライドして切ります。
押し切るとぐちゃっと潰れて終わり。
斧も刃渡りを意識してスライドするように材を切削します。
スライドの動きを生むために意識するのは手首のスナップを効くかせること。
手首〜肘〜肩をリラックスして鞭のようにしならせて、手首のスナップをへとつなげるイメージです。
わかりにくい場合はできる人のワークショップを受けてください。
それから斧の重さを利用すること。
野球のバットと同じです。
ホームランorヒットを狙うとき=荒削りの時は持ち手を長めに持って遠心力と重さで荒削りします。
バントのとき=細かい切削をしたいときは持ち手を短く持ち作業します。
斧で狙った部分を削れない原因その4:脇がしまっていない
脇を閉めよ。さすればコントロールが定まるであろう。
スポーツ、武道に通ずるところがあります。
斧で狙った部分を削れない原因その5:斧の重さがあっていない
女性には斧身450~600gくらいの軽めの斧がいいと思います。
振り続けると疲れてコントロールも効きにくくなったり危険です。
自分の筋力、体力にあった重さの斧を選びましょう。
UPIなどの専門店でスタッフと相談して決めるのもいいでしょう。
【初公開】実際にグリーンウッドワークで使っている斧を公開します。正直、手っ取り早く上達したい!という人へ
家でひたすら反復練習しましょう。
というのは半分冗談半分本気ですが、実際のところ一人で間違った方法を繰り返すのは効率が悪いです。
おすすめは近くで開催されているワークショップに参加することです。
関西だと比較的チャンスは多いです。
滋賀のスーパー生木ラボでもオーダーメイドでワークショップの企画もしています。
日程、内容、料金などお気軽にご相談ください。
ワークショップや定期的な教室のメニューはこちらから
工房だけでなく出張講座もしているので合わせてご検討ください。
【動画】グリーンウッドワークで使うナイフを研ぐ。基本的なやり方を紹介します。 【終了】山からはじまる本気のスツール