いつもは生木専門ですが、記憶を形に残すお手伝いとして、市内の設計事務所の方とのご縁をいただき携わらせていただきました。
この記事ではどの部材からなにを製作したかを動画と写真で紹介しています。
企業の方以外でも、個人の方でも、次のような経験がある方にはぜひ一度ご連絡いただければ、
何かしたらご相談に乗ることはできますのでお気軽にお問い合わせください。
- 思い入れのある庭木を伐採しなくてはならなくなったが、何か形に残したい。
- 剪定した枝で日々の暮らしで使えるものを作りたい
- 改修で出てきた古材を活用したい
- 上記のことで悩んでいる知り合いがいるが、なにかアドバイスがしたい
目次
古民家の差鴨居を使って何かできないか?
今回、使ってもらいたいと提案されたのは「鴨居」です。
古民家の構造材としても重要な部分で、差鴨居と呼ばれる部材でした。
樹種は松で、おそらく赤松だと思われます。
削ってみると松脂(まつやに)が出てきました。
180年ほど経っているようなのですが驚きです。
削っている刃物がベタベタになりました。
一級建築士の方とご相談で「時計」と「ウッドボウル」をつくることに。
建築士の方が工房に来てくださったとき、わりと早い段階で時計をつくること決まりました。
時計を作ったことはなかったのですが、仕組みはシンプルなものだったのでやってみましょうかということに。
文字盤もあえてなしの設計で行くことに。
木を好きだったり、思い入れがある方にとっては、シンプルに木目を楽しめる仕上がりの方がいいのかもしれません。
はじめての時計づくりと試行錯誤
いかんせんはじめてのことは腰が重かったり、失敗が待ち構えていたりします。笑
それでもやっていくうちに改善点が見えてくるので、淡々と仕上がりを目指して削っていきます。
したたる松脂!
回転させて刃物で削りました。
薄すぎず厚すぎず、少しぽってりとしたフォルムにしてみました。
側面は真っ直ぐよりアールをつけて温かみのある印象に。
予想通り、松脂が滲み出てきます。
削ると古民家特有の匂いと、松脂の香ばしい匂いが工房に漂っています…
無事完成、針も動きます。
今回は2つの時計を制作しました。
長年の煤と松脂が印象的だったので、一つはそのまま残してあります。
今から仕上げでこの風合いを出そうと思っても出せないでしょうし、家の部材として家族を見守ってきた証にもなって面白いかなと。
右側はフレッシュな木肌と、鴨居部分を下部に残した仕上がりです。
木目も山並みのようでいい雰囲気になりました。
ウッドボウルで子挽き。
さらにご注文をいただいたウッドボウルも製作しました。
こちらのボウルをくり抜いて、小皿も作っています。
世代を超えて受け継がれていく古民家にぴったりだなあ〜と思いながら、
コアリング=くり抜いていきました。
子供、孫、とくり抜く予定でしたが、子供を抜くのを失敗してしまい、
孫だけをお皿にしました。
親を失敗しなくて一安心だったのはここだけの話です。笑
黒い色は柿渋+木酢酸鉄液で仕上げています。
柿渋を下地に塗ってあるので、柿渋のタンニンに鉄分が反応して黒く染まっています。
化学反応ですね。
【ご相談ください】古材、乾燥材もたまに扱います。
生木専門を謳っているスーパー生木ラボですが、
使える技術、お役に立てそうな技術でしたら使っていただければと思います。
ウッドターニングという日本でいう「ろくろ挽き」になるので、丸いもの(お皿や時計など)をつくるのは得意です。
それ以外でもアイデアはあるので、一緒に相談しながらつくりたいものを定めていくということもできます。
中量〜大量生産で毎日の工程がガチガチに決まっている企業や工房には断られてしまうような小ロット、一品制作からでもお気軽にご相談ください。
ユニークなものをプレゼントしたい工務店の方、設計事務所の方なども大歓迎です。
トップページの「お問い合わせ」からメールをいただくか、
インスタグラム のdmでもOKです。
慣れない方は電話でも構いません。
ぜひ一緒に、お客さんに喜んでもらえるものづくりをしていきましょう!